大判例

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東京高等裁判所 昭和33年(ネ)2705号 判決

左記の諸事実はいずれも当事者間に争がない。すなわち、被控訴人が昭和三十年九月十二日附で控訴人に対し、控訴会社の昭和二十九年四月一日から昭和三十年三月三十一日までの事業年度分の法人事業税を三十万八千二十円、不申告加算金を六万千六百円と決定し、その頃控訴人に通知した。控訴人は右処分について昭和三十年十月十一日附をもつて東京都知事に対し異議を申立てたところ、都知事は昭和三十一年七月二十日右申立を棄却し、同月二十五日これを控訴人に通知した。控訴会社は新聞の製版、印刷のみを事業とするものである。

控訴会社は、その事業が地方税法第七十二条の四第二項第一号所定の新聞業に該当し、事業税を課することができないし、その申告も要しない旨主張し、控訴人はこれを争うので次にこれを判断する。

地方税法第七十二条の四第二項は事業税を課することができない場合を規定し、第一号に「時事の報道を目的とする新聞(毎月三回以上号を追つて定期に発行されるものに限る)を発行する新聞業を掲げている。同条の規定からみれば、都、道、府、県は例外としてその事業に対して事業税を課することができないことを規定しているのであるから、同条の解釈についてはこれを広く拡張して解釈すべきものではない。しかして、「時事の報道を目的とする新聞を発行する新聞業」とは、時事に関する記事を取材、編集、製版、印刷した上、一般に頒布することを一貫して行う事業を意味するもので、新聞の製版、印刷のみをなす事業は、これにあたらないと解するを相当とする。控訴会社が新聞の製版、印刷のみを事業とすることは前認定のとおりであるので、その事業が地方税法第七十二条の四第二項第一号にいう「新聞を発行する新聞業」にあたらないといわなければならない。故に控訴会社の事業は事業税の対象となり、事業年度の期間が六月をこえるので控訴会社は同法第七十二条の二十八第一項により事業年度終了の日である昭和三十年三月三十一日から二ケ月以内に当該年度の事業税の申告をなす事務があるものといわなければならない。

(村松 伊藤 土肥原)

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